実践的学びが創る、ポジティブ・フィードバック・サイクル


こんにちは。小原です。
日本に一時帰国しており、早速花粉の洗礼を受けてホーチミンシックにかかっております。

さて、ハバタクは今、日本の若者とミドル・シニア層がひとつのチームを結成し、ベトナムの社会起業家と共に草の根の課題解決に取り組むCross Border Incubation Platform(以下、XIP)を推進しています。

世代と国境を越えるチームづくり

これまでの一ヵ月、ベトナム現地での活動前の日本チームの共創関係醸成を目的とした国内プロジェクトを実施してきました。

プロジェクトのゴールは4月から始まる1年間のベトナム現地での事業開発のビジネスプランの作成でした。
現地起業家へのヒアリングやパブリックに収集可能な情報を基に、現地社会課題の把握、目指す社会変革のカタチ、実現に向けた支援内容を具体的なプランに落とし込みました。

プロジェクトに取り組んできたのは次の二つのプレイヤーです。

  1.  New Leader(以下、NL):現地起業家の基に滞在し共に社会変革に挑む若者。また国内後方支援チームからの知見を吸収、トランスファーし、課題解決に尽力する。いわば果敢に前線に飛び込む先兵及び兵站部隊。
  2.  Co-Creation Partner(以下、CP):日本に居ながらにして現地起業家の事業課題解決に自らの知識・経験をもって挑むビジネスプロフェッショナル。言うなれば知略を尽くす参謀。

世代もバックグラウンドも異なるプレイヤーたちがOne Teamとなり、海の向こうの社会変革に向けて歩みを進めてきたのです。

今回、社会変革に共に取り組むベトナムの企業は有害物質の排出が少ない練炭の製造会社と、個人の障がいに合わせたカスタムメイド車いすの製造会社です。

いずれもベトナムの社会問題に果敢に挑む一方で、品質・生産性の向上や、従業員・職人の育成など多くの事業課題を抱えています。

CPとして参加してくださっている方々は経理のプロ、生産管理のプロ・・・など各分野の一線で活躍されているエキスパートばかり。
そんな各分野のエキスパートの知見が集まることで、驚くほどのスピードで課題が整理され、今後の支援内容が明確になってきました。
普段は全く別の業界、世代も異なる方々ですが、それぞれの専門性の掛け算による力を強く実感しています。

XIPが生むポジティブ・フィードバック・サイクル

XIPへの参加は決して楽ではありません。

1か月の国内プロジェクトを終えたNLやCPの皆さんに聞いてみても、「本業が終わってから、あるいはその合間の時間を費やした」「かなりの工数を要し、なかなかハードだった」という声が上がりました。

しかし、それでも尚、多くの人がXIPに関わり、時には休みの時間を費やしてくださるのは何故なんでしょうか?

みなさん、これからの時代に必要なスキルや経験を実践的に学べる場としての価値を感じてくださっているようです。

XIPで獲得される実践知

  • 多様な人々とプロジェクトを完遂していくプロジェクトマネジメント
  • 自身の専門性の他領域への適用
  • 新興国ビジネス状況の現実的な知識

これらを日々のプロジェクトワークを通じて、実践的に獲得していくのです。

実践的な学びは、コルブの経験学習モデルが参考になります。

新しい取組み

このサイクルのトリガーとなるのは、新しい人々と出会い、新たなテーマに取り組むことです。

いかに本業がやりがいがあり、日々学びがあると言っても、学べることの範囲はある程度予想できるのではないでしょうか。

まずここを今までとは全く異なる環境に飛び込み、圧倒的に新しいことに取り組むのです。

ベトナムの人々と、若手もミドルもシニアも、業種業界も関係なく集まった仲間たちとの取組みは、日々の延長線上にはない、わくわくする環境だと思いませんか?

具体的経験

そして、その新しい取組みが自らの知恵、手足をフルに使う身体感覚、手触り感を伴う経験であればあるほど、学びは深くなっていきます。

スポーツの習得に、教則本を読み込み続ける人はいませんよね?

省察的観察と概念化

自身の身体をフルに使って体得した学びも、身体でのみ覚えている状況だと、ある日突然うまくいかなくなることが出てきます。
また、ある程度のレベルに達した時にそれ以上の成長が見られなくこともあるでしょう。

やみくもに学ぶのではなく、自身の学びを棚卸し(省察的観察)、再現可能なレベルにまで昇華する(概念化)ことで、学びは定着していきます。

本業への還流。〇から∞へ

本業を離れた環境で得られた学びは、その場だけでは終わりません。

概念化によって普遍的に適用可能な知見として蓄積されたことにより、一見全く新しい環境に飛び込んで得たはずの学びが、本業にも適用可能な知識・経験となり、本業でのパフォーマンスにもポジティブなフィードバックを返してくれるようになるのです。

従来の環境における日々の学びだけでは、一つの閉じた学びのサイクルです。
しかし、敢えて別の環境に飛び込むことで、もう一つのサイクルが生まれ、それらが相互にフィードバックすることで、加速度的に学びが深まっていくのです。

一見すると時間を取られ、本業や他の生活を阻害するようにも見えるXIPの活動ですが、本業へと還流されるポジティブ・フィードバック・サイクルを構築することが出来るのがポイントです。

本業で更なるステップアップを考えている皆さん、XIPにチャレンジしてみてはいかがでしょうか!?

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尚、本プロジェクトでベトナムに渡る若者二人の壮行会を下記概要で開催します。
興味のある方はどうぞ奮ってご参加ください!

日時:3月30日(土) 18:30-21:30
会場:ちよだプラットフォームスクウェア 1F Deli cafe
東京都千代田区神田錦町3‐21
地図:http://yamori.jp/access/
参加費:3000円程度(懇親会費)

参加申込はコチラから。

小原

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